yama_title_s.gif (6k) (3)シャープ・ピーク
〜A.山と船旅編 / B.冬山編〜

A.山と船旅編

香港の山の特徴の一つに海からの近さがある。トレイル・ウォーカーで有名なMacLehose Trailルートも、この辺りをうまく取り込んだコース設定といえる。今回はそんな特徴を活かしてハイキングと船による島めぐりを盛り併せた山旅を紹介。
香港の槍ヶ岳、シャープピーク (8k)
香港の槍ヶ岳、シャープピーク
よく素晴しい山を表現する言葉に名峰とか秀峰とかといった形容が使われるが香港の山でいえば馬鞍山やライオンロック、ランタオ・ピーク等がこれらに該当する。しかしこれらの著名な山と並びハイカーの憧憬の的となっている頂にシャープ・ピークがある。

square6.gif (117bytes)

新界の最東部に位置し、香港に近づく旅客機の窓からもはっきりとわかる鋭利な頂は日本の槍ヶ岳を彷彿ともさせる。一般的なアプローチは赤径(チェッケン)からだが、赤径へは北沢凹(パクタムアウ)から歩いて入る方法と、黄石(ウォンセック)から船で入る方法の双方がある。船は定期便とチャーター便の小舟があるが、チャーター便だと一人15ドルで5分で赤径に着く。
赤径からはシャープ・ピークと大浪灣の別れ道となる峠(大浪凹)まではMacLehose Trailを20〜30分歩く。峠からは大浪灣を一望しながら風を受けてのすがすがしい登りがしばらく続き、急登につき注意の看板のある辺りから、いよいよシャープ・ピークへの本格的な取組が始まる。急斜面を4回登りつめればそこが頂上。大浪凹からは約1時間である。 頂上眼下の海岸は四季を通じエメラルド・グリーンに輝き、視界の効く日は塔門洲から平洲の島々に加え中国大陸が展望できる。

square6.gif (117bytes)

シャープ・ピークからは米粉頂を経て東灣、大浪灣と辿るルートも面白いが、今回は高流灣を目指す。頂上から通行注意の看板まで来た道を辿るが、登り以上に下りの方が注意を要する急斜面だ。
高流灣へは地図で観る限りいくつかのルートが記されているが、通行注意の看板まで戻り、尾根伝いに高流灣を目指すのが無難。余程薮こぎ、ルート・ファインディングに自信のある人でなければ少なくとも冬の時期以外に尾根伝いルートでないコースを選択することは、かなりの危険も伴うとみられるためである。しかし冬のベストシーズン中の尾根ルートは快適そのものである。これ以外の季節で雨上がりの時等は尾根伝いとはいっても滑りやすい箇所が多い。途中、インディアンがこちらの行方を見張っている様な大きな奇岩をいくつか眺めながら林屋経由で高流灣を目指す道と、そのまま尾根伝いに高流灣を目指す道との分岐点に達するが、前者の選択がベター。後者は最後の高流灣手前から道がほとんど薮こぎ状態となっているからだ。
さて林屋は楽園といえるのどかな小村である。こつぶでしかも皮が薄く、まさに実のつまったみかんの木が豊富で静かな浜辺では野性化した牛たちと、がちょうが、のどかさを独り占めしており、『老人と海』の香港版よろしく初老の釣人が小舟からのんびり糸をたれている。我々ハイカーの歩行が唯一、この静粛を乱しているとしても過言ではない。

square6.gif (117bytes)

シャープ・ピークの頂上から約2時間。ようやく高流灣である。日曜はここと黄石を行き来する船は多いが土曜や平日は要注意である。ましてや塔門へ渡り馬料水へ向かう船便は日曜以外は一便か二便のみである。我々が乗船したのは14時半に黄石を出た便で料金は高流灣まで3ドル。ほんの10分たらずで船は高流灣に着く。馬料水への出発時間を確認(17時40分)した後は塔門洲のハイキングを楽しみたい。
ここのピークまでは往復1時間程。休憩や船着き場辺りの繁華街?で食事を楽しんでも船の出発までは十分だ。馬料水までの船旅が今回の最後となるが一人20ドルの料金は、1時間半という船旅の長さや、船上からの風景を楽しめるということを考えれば、格安といえよう。尚、乗船時と途中海上での合計2回のIDカード・チェックがあるのはさすがに大陸の近さが実感される。やがて馬鞍山の新興住宅地の明りと沙田の街明りが今回の旅の終を告げてくれる。[95/12/04]


B.冬山編

冬山に行くといえば、親不幸の代名詞に言われたことがある。しかしここ香港では冬の季節程、山に登るべきである。そうベスト・シーズンであるからである。あの殺人的に照りつける太陽。サウナの中で行うエアロ・ビクスの様な、自分の体をいたぶるのが比較的好きな西洋人でさえ顔をしかめた夏の最悪期の登山とはまったくコンディションが一変して良好な時期が冬なのである。特にこの時期は乾燥期でもあることから、他の季節ではブッシュが多く、しかも滑りやすくて歩きにくいルートでも、比較的歩き易い時期となる。ということで再度シャープ・ピーク(468m)を登場させたい。名付けて、今回のルートは環状外周り辺境コース。

square6.gif (117bytes)

MTRは彩虹。ここから西貢まではミニバスで6.8ドル。日曜は教会へ向かうフィリピン人たちで込み合うので早めの出発を推奨。西貢からはMacLehose Trailの第2ポイント終了地点である北沢凹まではタクシーでも55〜60ドル程度だ(黄石行きのダブルデッカーで途中下車といったアプローチ方法もある)。

square6.gif (117bytes)

ここから赤径を経由し大浪凹まではMacLehose Trailを約1時間。「A.山と船旅編」では、ここから直接シャープピークを目指したが、今回は大浪灣を経由するルートをとる。大浪灣は香港随一のサーフポイント。ハイキングと同じく、今がベストシーズンでサーフィンの他、ボディーボードをここで楽しむ人たちも多い。ここまで決して軽くはないボードをはこんできたサーファーに脱帽である。この大浪灣のビーチまでは大浪凹から約30分だが、望魚角の麓のレストランで昼食をとってゆくのもいい(2軒あるレストランのうち、つり橋の手前にある方の牛肉とトマトの焼ビーフンがおいしいです)。

square6.gif (117bytes)

さてここからが今回のシャープ・ピークのハイライトとなる。大浪灣も香港のビーチのトップクラスだが実はこの隣の東灣がこじんまりしていながらも秘境ともいえるビーチだ。ただシャープ・ピークからの水の流れのたまり場で泳ぐのはいいが、海は深みがありそうで要注意。そしてこのビーチの沖合いには監視艇がこちらを注視していることにも気がつくはずだ。そうここは新界のさいはてともいえ、中国との近さから監視艇が絶えずこの辺りの人の動きを監視しているわけである。 東湾を行く(24k)

square6.gif (117bytes)

東灣からは米粉頂まで直登しシャープピークを目指すのもいいが、東灣山を外周りし米粉頂に至るコースが面白い。大浪咀までの半島を通過するこのルートからは平洲の眺めがすばらしい。この冬の時期以外の時期はかなり困難なルートとなるが、今の季節だとシャープピークまでは望魚角から約2時間半程だ。シャープピークからは 大浪凹まで急な下りに注意しながら40〜50分。天候が安定する今の時期。傾きつつある太陽にだんだんと色付いてくるシャープピークを振り返ればここは香港の山なのかと、疑わずにはいられないだろう。

地図「西貢半島、2万分の1」(香港政府発行Series HM20C ,Sheet 8)参照。[95/12/10]

square6.gif (117bytes) 香港山紀行目次square6.gif (117bytes)

back_index.gif (1912 バイト)