yama_title_s.gif (6k) (16)辺境の山〜吊燈籠〜

瀬戸内海の風景を見る様な辺境の山を紹介。船灣郊野公園(Plover Cove Counry Park)の最高峰、吊燈籠(Tiu Tang Lung、416m)である。 今回は山麓の新娘潭(Bride's Pool)を経て山頂を目指すコースを紹介。

square6.gif (117bytes)

アプローチはKCRの大埔駅。ここでダブルデッカーの75Kに乗り、終点の大尾督(Tai MEI Tuk)で下車(バス代3.3香港ドル)。途中ダブルデッカーは大埔工業団地の中を通る。どんな工場があるんかいなと工場の看板見学をしながらバスに揺られるのもまた楽しである(私の好きなカシュバの工場がありました)。
バスを降りたら新娘潭路を船灣淡水湖を眺めながら新娘潭まで歩くのも良し。(もちろんタクシーといった手もあるが)郊野公園管理站の脇から始まる八仙嶺自然教育徑を歩くも良し。(教育徑コースだと新娘潭まで約40分) 新娘潭は名勝の一つで家族連れのハイカーでも賑わう渓谷である。

square6.gif (117bytes)

新娘潭の滝も十分楽しまさせてくれるが、スケールではここから先の照鏡潭(Mirror Pool)の滝がはるかに上回る(新娘潭から約30分)。八仙嶺からもはっきりと見えた滝はこの滝だ。夏には滝の上の川でまさにプール遊びも楽しめそうである。この上流に人家があるとは信じ難い清流でもある。
その上流の烏蛟騰(Wu Kau Tang)がめざす吊燈籠のとっつきとなる。老園の畑の中から尾根道を見つければあとは黙々と足をすすめるだけだ。急な尾根筋の頂が芬箕托(Fan Kei Tok)でここから吊燈籠までの尾根歩きがすばらしい。眼下に見える入り江や小島の眺めはまさに瀬戸内海。小柳ルミ子の『瀬戸の花嫁』を、おもわず口ずさみながら快適な縦走が続く最後の急登をがんばれば吊燈籠の頂上だ(照鏡潭から約1時間半)。

square6.gif (117bytes)

三椏灣(Sam A Wan)から印洲塘(Yan Chau Tong)を行く小船や入り江に注ぐ小川の流れ等が手にとるようにこの頂からは眺められ、はるか船灣郊野公園の先端(黄竹角咀)までの半島もうならさせずにはいられない。

square6.gif (117bytes)

よく山登りは登りよりも頂上からの下りが最も危険というが、それはこの吊燈籠にもあてはまる。頂上から北側、南側いずれに下る道もかなり急で十分注意が要される。特に北側の道は沢筋のジャングル地帯を歩くので冬季以外はやめた方がいい。まるでボルネオのジャングルを歩く旧日本軍の敗残兵の様な歩きを廃村のある蛤塘(Kop Tong)まで強いられるからだ。ただその悪劣な下りもかつてはこの廃村の村人たちが育てたみかんが癒してくれる(小さいながらも薄い皮の野性味のある甘さがいい)。
またもう一つの廃村、梅子林(Mui Tsz Lam)に近づく頃には道もかなりはっきりとしてくる。この梅子林(吊燈籠から1時間半)は何か不気味な廃村で、普通の廃村は戸締りがしてあるのに、ほとんどの家は扉が開けっぱなし。しかも家の中には生活道具や写真がちらばっており、まるでこの村人たちがある日突然全員消えた様な雰囲気が蔓延している。家の中にちらばっていた新聞の日付けは84年当時のものだったが、どう考えても通常の離村とは様子が違っていた。これ以上この村についての想像を働かせていると怪奇小説でも書けそうなので帰路の足を早めよう。

square6.gif (117bytes)

ここから沙頭角の対岸の谷埔(Kuk Po)を経て粉嶺までのミニバスが出ている鹿頸(Luk Keng)までは、さらに1時間40分の道のりだ。

地図「新界東北部」(香港地政總署測繪處発行Countryside Series)参照[96/02/06]

square6.gif (117bytes) 香港山紀行目次square6.gif (117bytes)

back_index.gif (1912 バイト)